
この記事が紹介するステキ
ヒガシアユミさん×「とびきりいい顔」の写真撮影
「とびきりいい顔」を撮れるフォトグラファー
私は人を撮影するのが専門のフォトグラファーです。「とびきりいい顔を撮る」をコンセプトにしています。プロのフォトグラファーにいい表情の写真を撮ってもらいたいと思った時に私のことを思い出してもらえたらと思っています。新生児の写真や七五三の写真も撮りますし、大人の方の日々の何気ない姿を撮るというご依頼も承っています。
夫のお義父さんが亡くなった時に、私が生前に撮っていたお義父さんの写真が遺影になりました。お葬式に来た方がみなさん、遺影がいい写真だと言ってくださり、葬儀屋さんにも「すごくいい写真でした」と言っていただいたんです。その時に、こうやって喜んでもらえる写真を生前に撮っておくことは大事なことなんだと実感しました。
その経験があったので、元気な今を記録して長生きのお守りにしてもらいたいというコンセプトで「生前フォト」の撮影に力をいれてきました。遺影のためではなく長生きのために撮る写真。その中に、年齢を重ねた人の顔にしか出ない、人生を生きてきた渋みが感じられ、それを撮ることが私はとても好きなんです。
でも、それだけではなく、色んな人の「とびきりいい顔」を撮りたいというのがあって、今は広く人を撮影対象とするお仕事をお引き受けしています。
フィルムカメラでの撮影に鍛えられた大学時代
大学生の時、地元の写真館でアルバイトをしていました。その頃はまだデジカメではなくフィルムのカメラで撮影をしていました。
その写真館の社長はしょっちゅうアルバイトを置いて遊びに出かけてしまうような人だったので、お客さんが証明写真を撮りに来ると、アルバイトが撮らないといけないことがたびたびありました。それで、アルバイトの先輩と練習をしようと決めて、照明のことも覚えて、撮影についても学びました。これが私の人生最初のカメラ修行だったかもしれません。
デジカメとは違い、撮ったものを確認もできない、サイズの変更や加工もできないため指定のサイズに合わせて撮らないといけない、目つぶりも見逃しちゃいけない、フィルム代がかかるので何枚も撮影できない。そんな環境でしたので、フィルムで写真を撮ってお金をいただくことの責任や緊張感に、ものすごく鍛えられました。
大学を卒業した後はいくつかの仕事を経験しましたが、例外なくカメラでの撮影が仕事の中にありました。ホームページ制作の営業をやった時にもホームページに使う写真を撮っていましたし、その後非常勤の公務員になった際にも記録写真はすべて私が撮っていました。アート関係のアルバイトに移った頃、写真の個展も開いたことがあります。その後、正社員のフォトグラファーとして就職しました。だいたい15年くらい前のことです。そこからはずっとフォトグラファーをやっています。
子どもの頃からカメラが大好き。導かれるようにフォトグラファーに
カメラに最初に興味を持ったのは小学生の頃でした。親戚の中で一番年下だったので、早く大人になりたいという気持ちがありました。ドラえもんが好きで、のび太くんが写真を撮るときに、ブレる、フレームが合わないという描写を見て、カメラが立派に撮れるのが大人の証だと、その時は思ったんです。それで母親にカメラを借りて、ブラさずフレームを決めて撮影するということをずっとやっていました。
そのうちにカメラで撮影して残すことに興味が出てきました。習い事のエレクトーンのおまけについてきたトイカメラが好きでずっと撮っていました。小学校高学年の時には好きな先生の写真を撮りたくて3万くらいのコンパクトカメラを自分で買いました。中学生の頃には家族との写真なんかをすべて撮っていましたし、高校生の頃にはインスタントカメラが流行りだして3年間で3千枚以上撮ったと思います。運動会でもカメラを忍ばせて踊りながら撮ったり、授業中もカメラのカバーを作ってバレないように撮ったりして記録し続けていました。
そういった時代を経て、大学の時の写真館でのアルバイトにつながっていきます。
関西出身だからこそのコミュニケーションで笑顔を引き出す
私は神戸出身で、フォトグラファーとしても長年神戸で働いてきました。東京で暮らし始めて7~8年経ちますが、神戸時代のスタイルをこれからも大事にしながら仕事をしていきたいと思っています。
関西のフォトグラファーは、複数人がチームでいいものを撮ろうという体制で撮影に臨みます。だから、手はもっとピンとしたほうがいい、襟がヨレている、ネックレスがずれている、なんてことを注意し合って最高の写真を撮ろうと努めます。また、被写体となる方とのコミュニケーションの量が多く、緊張をほぐして笑顔を引き出すのも上手いです。
自分のことを特別上げるわけではないですが、長い間関西で働いてきたからこそできる、そういったコミュニケーションを大事にして、とびきりのいい顔を撮影したいと、いつも思っています。撮影の時に、楽しませる、笑ってもらうということができるかできないかはやっぱり大きな差ですし、被写体となる方との信頼関係をどれくらい強いものにできるかにも影響します。
お客さんと丁寧に向き合う出張撮影に力を入れていきたい
今後やってみたいことですが、自宅に雑貨屋付きのスタジオを作って、みんなの憩いの場のような感じにしたいですね。そのスタジオでは記録写真を撮影できたらいいと思います。ただ、力を入れていきたいのは出張撮影のほうで、お客さん一人ひとりと丁寧に向き合って仕事をすることをずっと大事にしたいです。出張撮影では、せっかく東京で働いているので、芸能人のお客さんの撮影とか、世に出る前の無名時代の芸能人の専属フォトグラファーの仕事とかができたら楽しそうだなと妄想することがあります(笑)。

